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電気代値上げ?電気料金の仕組みと電力会社を選ぶ時の注意点を解説

「2021年4月 電気料金1,000円以上値上げ」というニュースを見て、「電気料金の値上げについて何となく知っているけど、その詳しい理由はよく分からない」という方は多いのではないでしょうか。

また、電力自由化にはなっていて電力会社を自由に選べることは分かっているが、結局どの電力会社が良いのかよく分からないという人も多いと思います。

そんな方のために、本記事では電気料金の算定の仕組みと電力会社を選ぶ時の注意点について、電力需給契約の実務経験がある専門家目線で解説します。

みなさまの電気料金という固定費の削減に少しでも貢献できるように、詳細に解説しますのでどうぞ最後までご覧ください。

本記事を読んで分かること
  • 電気料金の算定の仕組みが分かる
  • 自分にとって最も安い電力会社が分かる

電気料金値上げの仕組みと歴史

電気料金値上げの仕組みと歴史

今、電気料金値上げと言われていますが、電気料金については実は毎月変動しています。

この毎月変動しているものも含め、電気料金の算定には主に4つの要素が関係しています。

電気料金の算定に使用される4つの要素
  1. 基本料金
  2. 電力量料金
  3. 燃料費調整額
  4. 再生可能エネルギー発電促進賦課金

この4つの要素について、東京電力を代表例として、これまでの値上げの推移を見ていきます。

1つ目の基本料金ですが、こちらについては変動はなく、しばらくの間、一定の金額を保っています。

2つ目の電力量料金については、過去10年間で2度(2012年9月、2016年6月)、値上げを実施しています。(消費税増税に伴う電力量料金の変更は除く)

使用電力量2008年9月2012年9月2016年6月現在
120kWhまで17.87 円/kWh18.89 円/kWh19.52 円/kWh19.88 円/kWh
300kWhまで22.86 円/kWh25.19 円/kWh26.00 円/kWh26.48 円/kWh
300kWh超24.13 円/kWh29.10 円/kWh30.02 円/kWh30.57 円/kWh
「東京電力エナジーパートナー 従量電灯B」の電力量料金単価の推移

2012年9月は東日本大震災を受け、原子力発電の停止により火力発電の発電量が増えたことなどによるコスト増に伴う値上げとされています。

また、2016年6月は電力自由化に対応するための値上げとされており、このような電力会社にとって大きな変化がない限りは、価格が変動するものではないことが分かります。

現在の値段が2016年と異なるのは増税に伴うものであり、電力量料金単価が値上げされたわけではありません。(電気料金は内税表記のため)

3つ目の燃料費調整額については、原油価格の変動に伴い毎月変動する単価となっています。

燃料費調整単価の10年間の推移を以下に示します。

燃料費調整単価の推移
燃料費調整単価の推移(東京電力エナジーパートナー 低圧 従量制 関東エリア)

電力量料金が数年に1円程度しか変化しないのに対し、燃料費調整単価については1円、2円はすぐに変化してしまうことが分かります。

4つ目の再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ発電賦課金)については、太陽光発電等の再生可能エネルギーの固定価格買取制度に基づき、電力会社が電気の買取りに要した費用を使用者に負担させるための金額となっており、年1回、価格が見直されます

再エネ発電賦課金単価の10年間の推移を以下に示します。

再エネ発電賦課金単価の推移
再エネ発電促進賦課金単価の推移

今回の1,000円値上げは、この再エネ発電賦課金の値上げによるものとされています。確かに、ここ近年の変更幅に比べると大きく単価が上昇していることが分かります。とは言っても、0.38円の上昇ですので、燃料費調整単価の変動がいかに大きいかということが分かります。

以上のように、電気料金は様々な単価の足し合わせにより算定されており、毎月・毎年価格が変動してきたということは御理解頂けたでしょうか。

電力自由化で電力会社を自由に選べる時代です。

電気料金の仕組みを正しく理解し、節約に努めましょう。

電気料金算定の4つの要素について詳しく解説

電気料金算定の4つの要素について詳しく解説

電気料金の算定には4つの要素が関係していることは記載しました。ここでは、それぞれの要素について詳細を解説します。

基本料金

一般家庭の場合、家のブレーカーのアンペア数で基本料金が決まることが大半です。

ブレーカー
我が家のブレーカー(50A)

ブレーカーのアンペア数を下げることで基本料金を下げることができますが、ブレーカーを小さくし過ぎると、同時に多くの電気を使用するとブレーカーが落ち、家が停電してしまいますので、各家庭の生活パターンに合わせて契約する必要があります。

我が家も50Aと高めですが、朝の支度でエアコン・IH・電子レンジ・トースター・ケトルをうっかり同時に使ってしまった時に停電してしまうことがあります。

基本料金のポイント
  • ブレーカーのアンペア数で決まるため、電気の使用量に依らない
  • 同時に多くの電気を使用するとブレーカーが落ちて停電するため、生活パターンに合わせて契約する必要がある
  • 電力会社によって単価が異なる

電力量料金

基本料金が電気の使用量には依らないのに対し、電力量料金は電気の使用量に応じてかかる費用となりますので、節電に取り組んだ場合、この電力量料金に効果が表れることになります。

電力量料金の推移の表でも示したように、電気の使用量が多くなるほど単価が上がっていく契約となっている場合もあります。

電力量料金のポイント
  • 電気の使用量に応じてかかる費用
  • 電力会社によっては、電気の使用量が多くなるほど単価が上がる場合もある
  • 電力会社によって単価が異なる

燃料費調整額

燃料費調整額についても、電力量料金と同様に電気の使用量に応じてかかる費用となります。

電力量料金との大きな違いとしては、単価が毎月変動することと、電力会社によらず、その地域によって統一の単価となっている点です。そのため、エリア外に引越しをしない限りは、どの電力会社を選んでも燃料費調整額単体で見ると同じ金額がかかることになります。

燃料費調整額のポイント
  • 電気の使用量に応じてかかる費用
  • 単価が毎月変動する
  • 電力会社によらず、地域で統一の単価となっている

再生可能エネルギー発電促進賦課金

再エネ発電賦課金についても、電力量料金と同様に電気の使用量に応じてかかる費用となります。

大きな違いとしては、毎年単価が見直しされることや、電力会社によらず全国統一の単価となっている点です。そのため、一部の特殊な契約を除けば、どの電力会社を選んでも差が生まれない費用となります。

再生可能エネルギー発電促進賦課金のポイント
  • 電気の使用量に応じてかかる費用
  • 毎年、単価が見直される
  • 電力会社によらず、全国統一の単価となっている

電気料金の算定方法

電気料金の算定方法

電気料金の要素について詳細を紹介しました。ここでは、いくつかの電力会社を代表例として取り上げ、具体的な電気料金の算定方法について解説します。

東京電力エナジーパートナー 従量電灯B / エルピオでんき スタンダードプランS

初めに紹介するのは「東京電力エナジーパートナーの従量電灯B」と「エルピオでんきのスタンダードプランS」です。昔から電気の契約を変えていない人は、だいたいの人が東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bになっています。

電気料金の計算式は以下となり、電力量料金単価については、電気の使用量が多くなるほど上がっていく単価となります。

電気料金=基本料金+(電力量料金単価+燃料費調整単価+再エネ発電賦課金単価)×使用電力量

東京電力エナジーパートナー 従量電灯B
東京電力エナジーパートナー 従量電灯B
エルピオでんき スタンダードプランS
エルピオでんき スタンダードプランS

サニックスでんき サニックステラセーバーS

次に紹介するのはサニックスでんきのサニックステラセーバーSです。

先ほどの東京電力と電気料金の計算式は同じですが、電気の使用量によらず一定の電力量料金単価が設定されています。

電気料金の計算式は以下となります。

電気料金=基本料金+(電力量料金単価+燃料費調整単価+再エネ発電賦課金単価)×使用電力量

サニックスでんき サニックステラセーターS
サニックスでんき サニックステラセーターS

ピタでん 使った分だけ

次に紹介するのはピタでんの使った分だけプランです。

このプランは基本料金が0円となっているのが特徴であり、「ブレーカーのアンペア数は大きいけど、1ヶ月の使用電力量はそれほど多くない家庭」に有利と推定できます。

電気料金の計算式は以下となります。

電気料金=(電力量料金単価+燃料費調整単価+再エネ発電賦課金単価)×使用電力量

ピタでん 使った分だけプラン
ピタでん 使った分だけプラン

ピタでん 使いたい放題

次に紹介するのはピタでんの使いたい放題プランです。

このプランは使用電力量500kWhまでは定額となっており、それ以上は従量課金となります。

これだけでも十分特徴的なプランですが、さらに特異なものとして、燃料費調整額と再エネ発電賦課金が電力量料金単価に含まれるという特徴があります。つまり、もともとこのプランで契約していた人は、今回の電気料金の値上げには無関係ということになります。

※この特徴は「ピタでん」だけにみられる特徴です。他の定額プランの場合は定額料金に燃料費調整額と再エネ発電賦課金が別途、差引されます。

電気料金の計算式は以下となります。

電気料金=(500kWhまでの定額分)+(電力量料金単価×使用電力量(500kWhを超えた分))

ピタでん 使いたい放題プラン
ピタでん 使いたい放題プラン

その他のプラン

その他のプランとしては、昼と夜の電力量料金単価が異なるような時間帯別のプランがあります。

こちらについては、使用時間帯に極端な偏りがある人は検討する価値があるプランとなりますが、比較が煩雑になるため今回は解説を省略します。

各プランの特徴を比較

各プランの特徴を比較

代表的な電気料金プランについて説明してきましたが、ここでは他のプランと比較したときの各プランの特徴について具体的に解説します。

燃料費調整単価毎に3つのグラフを以下に示しますのでご覧ください。

燃料費調整単価が0円/kWhの時の電気料金の比較
燃料費調整単価が0円/kWhの時の電気料金の比較

燃料費調整単価が▲3.06円/kWhの時の電気料金の比較
燃料費調整単価が▲3.06円/kWhの時の電気料金の比較

燃料費調整単価が▲5.20円/kWhの時の電気料金の比較
燃料費調整単価が▲5.20円/kWhの時の電気料金の比較

3つのグラフから読み取れる特徴を以下に示します。

3つのグラフの特徴
  • 東京電力エナジーパートナーはいずれの場合も高い
  • 燃料費調整単価により、ピタでん使いたい放題プランに優位性が見られる使用電力量の幅が変わる
  • 使用電力量が少ない家庭は、ピタでん使いたい放題プランのような基本料金0円のプランにメリットがある可能性が高い

まとめ

まとめ
電気料金の仕組みと電力会社を選ぶ時の注意点のまとめ
  • 電気料金の算定に使用される4つの要素として「基本料金」「電力量料金」「燃料費調整額」「再生可能エネルギー発電促進賦課金」がある
  • 燃料費調整額は毎月変動し、再エネ発電賦課金は毎年見直しされる
  • 価格の変動幅は燃料費調整額が最も大きい
  • 使用電力量の大小や燃料費調整単価により、おすすめの電力会社が変わる

以上、電気料金の仕組みと電力会社を選ぶ時の注意点をまとめました。

最後に記載したように、各家庭での使用電力量の大小等によりおすすめの電力会社が変わるので、まずはご家庭の使用電力量を把握して頂いたうえで、料金比較を行い、どの電力会社が良いのか判断して頂くことが重要となります。

多少の手間ではありますが、固定費の削減は永久的に続きますので、しっかり検討して少しでも節約に取り組んでいきましょう。

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